みやもと眼科のホームページは1996年6月19日開設されました。



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眼科の病気について(白内障と緑内障)
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【白内障について】

白内障手術は心の窓のガラス交換
「目は心の窓」です。そして瞼が雨戸です。閉めても10分の1くらいの光が入ります。だから、寝ているときも周りが明るい朝がくれば気が付くのです。

次に二重窓の外側のガラス窓、これが「角膜」です。丈夫でなかなか壊れません。

二重窓の内側の窓が、「水晶体」です。これはレンズになっています。じつはこの内側の窓の汚れが白内障に相当します。

室内でタバコを吸うか吸わないかで、内側の窓の汚れ方は大違いですね。人によっても「水晶体」の濁り方にはずい分個人差があります。

60歳の人の7割、70歳の人の8割、80歳になると全ての人に白内障が起こります。そして生活に支障があるほど濁りが進むと白内障の手術が必要です。ちなみに普通運転免許には0.7の視力が必要です。

最近の「超音波白内障手術」のやり方はこうです。

角膜の横を5mmほどダイヤモンドナイフで開きます。そこから細い超音波を出す管を滑り込ませ、濁った水晶体を細かく砕いて取り出します。すっかり取って、掃除まで終わったら、眼内レンズを滑り込ませます。あたらしい心の窓は、古い濁りがとれて濁りが消えた分だけ良く見える様になります。

切開を横の方からする、上からするかという違いがありますが、それぞれの方式の長所があります。乱視を軽減する横からの手術方式を当院ではとっています。


眼内レンズの寿命は70年

白内障でレンズを取ってしまった後は眼内レンズが必要なのです。眼内レンズは70年以上使えます。素材の純度が高く表面の仕上げは電子顕微鏡で確認され、更に完全に消毒してあるので体の中に入れても安全です。だから現在は4歳のお子さんにも使われるようになっています。(5年前から較べると夢のようです。)

しかし、元々の目の見え方とはほんの少し違います。

(1)色が変わって見えます。

これは黄ばんだ水晶体の見え方に慣れてしまっていると、新しい見え方では青みがかって、しかもかなり鮮やかに見えるようです。

(2)術後でもメガネが必要です。

手術の後にも乱視や、老眼は残ります。ですからよりハッキリ見えるためにはメガネがあった方が良いのです。

(3)術後3カ月ぐらいで見え方が変わります。

これは手術の傷が3カ月くらいたって治ってくるにしたがって、乱視が変わってくるためです。その人の目により、乱視の変わり方も様々です。



眼内レンズの御説明(1)

1.世界で最初の眼内レンズ
1949年(昭和24年)イギリス

2.眼内レンズの材質
脚(ループ)…メチルメタアクリル酸樹脂、またはプロリン、その他
光学部分‥‥‥メチルメタアクリル酸樹脂、シリコン

3.重量(レンズの種類によって多少異なります)
空中で約17.5グラム  水中で1.6グラム

4.眼内レンズの長所…
1.より自然に見えます。
2.メガネに比べても…
メガネで生ずる像の拡大がないので片眼に手術をした場合でも両目のつり合がとれます。(眼内レンズなしの片眼の手術後にメガネではかけられません。)
周辺が歪んで見えるメガネの不快さがありません。
視野が広く見えます。
メガネに生ずる視野の中の見えない場所ができません。
メガネをかけなくても視力がでます。(もちろんメガネがあった方がはるかに見えます。)
分厚く重たいメガネをかけないですむので見た目が良いし、楽です。

3.コンタクトレンズに比べても…
出し入れしなくてすみます。(1日中入れ放しで夜も入れたまま寝ても良いコンタクトレンズもありますが、含水量に富む構造になっているので、非常に破れやすく交換するたびに1枚2万円以上かかります。)
急に充血したり、眼に傷がついたりすることがありません。
視力の動揺がありません

4.ほぼ一生(およそ70年以上は)入れ放しで使えます。

5.眼内レンズの短所…
1.数年前は白内障をとってしまうだけの昔の手術方法に比べると、人工のレンズを眼の中に入れるため合併症の起きる率は他の矯正方法よりも高かったのです。しかし技術の進歩、経験の蓄積により、眼内レンズ手術の成功率は99%になっています。

6.眼内レンズの種類
前房レンズ、虹彩クリップレンズ、虹彩ー水晶体嚢レンズ、後房レンズ等さらに細かく分けると200種以上のレンズがあります。本院では眼の状態に応じ代表的レンズを選んで入れています。


白内障かな?と心配する前に

目には他に沢山の病気があります。しかし60歳以上になりますと、白内障は老眼のように一般的な状態です。『見え難くなったな』と感じたら、心配するより取りあえずご相談にいらしてみて下さい。メガネが合わなかっただけ、などということも良くあります。




 
【緑内障について】

緑内障の診断を受けて、ショックを受けられた方のためのご説明のサービスです。

後半は緑内障の手術治療についてご説明いたします。ただし、緑内障は病型や症状の程度で、様々な治療や検査の方針が必要になります。少しでも安心していただける事を目的に平易にご説明したつもりです。

しかし人の性格のように、緑内障の型も様々で、患者さんご自身のすべての要素を知っているのは主治医の先生です。ご不安はそのまま打ち明けて、ご相談されるのが最善とお考え下さい。


1.緑内障とはどのような病気か

どこにでもあるお風呂場を例えにとりましょう。お風呂の水は、蛇口から少しずつ出てきます。浴槽に溜まったお湯は、浴槽の壁の排水口から外に出ていきます。そのために、お湯はいつも新しく、しかも浴槽の水の量は一定ですから、お風呂の床が抜けたり傾いたりすることがないわけです。

緑内障の方の目は、おおむねこの浴槽の壁からの排水が悪いことが原因します。そうすると、お湯の量が多くなりすぎ、風呂の床が傷みお風呂として使えなくなってしまうのです。

実際の目では『視神経』が水圧に耐えかねて、しだいに萎縮してきます。すると見える範囲(『視野』)が狭くなってきたりします。

ではどうして目の水圧が上がるのでしょうか。

人間の目には、房水という水が毛様体という茶目の後ろにある組織から作られ、水晶体というレンズの脇を通り、角膜の一番外側の所にある静脈の中に吸い込まれていきます。1日に何回も水が入れ替わり、目を養っているのですが、この水の流れがとどこをりますと目の水圧(正常では20ミリ水銀以下)が上昇ます。

急に水圧の上昇が起これば急性の発作でたまらない痛みを訴え、慢性的に上がっていれば、目の奥の視神経は痛むことなしに萎縮をして気付いたときには視野が狭くなり、ひどいときには失明となってしまいます。

40歳代から起こることが多く、女性に多いと言われておりました。しかし最近の研究では、思ったほかに頻度は高く、なんと日本人の3.5%が、この緑内障であると言われています(ちなみにこれほど多くなった糖尿病でも5%です。従って、『かくれ緑内障』がとても多いと言うことになります。)

それでも失明する方が少ないのは、緑内障の進行がゆっくりな為です。現在眼科で治療されている緑内障の方の数は150万人のうち35万人程度だと言われております。つまり、ご本人が気付かない人の方が多いのです。

昔人間の寿命が40歳で終わった頃には、緑内障で失明するまえに人は病気や事故で生を全うしていたのでしょう。高齢化と合わせて緑内障の頻度は高くなっていますが、緑内障は、診察の方法と、治療の方法が長年の歴史でよく確立されてきていますので、発見を早くし、眼科の定期検査を受ければ(これは一生受けなければいけません。)、決して将来を悲観をするべき病気ではありません。


2.緑内障の治療

誰でも痛い治療はイヤーなものです。(私は大学時代に受けたものもらいの切開の怖さを未だに忘れられないので、切ることも嫌いです。)

緑内障の治療は第一に点眼薬です。点眼薬には約3種類あります。

1.ピロカルピン:
最も歴史の古い緑内障の薬剤で、目薬をつけると瞳孔が小さくなり、景色が暗くなるのが欠点です。持続時間は6時間ほどですから、1日4回点眼しなければいけませんし、目薬がしみることもあります。私も点眼してみましたが、暗くなるというものは夜には嫌なものです。部屋の明りを半分に消されたような気がします。しかし日中にはあまり気になりませんでした。

2.ベーターブロッカー:
これは最も新しい目薬で、副作用の少ない画期的な目薬です。12時間持続しますので、1日にわずか2回の点眼でよいわけです。しみることもなく全身的な副作用も少ないのでので、これだけですめば緑内障はずいぶん治療の負担が少なくなります。

3.アドレナリン:
これは、目のなかの水ができるのを抑える薬です。この薬の副作用は血圧が上がるということです。血管を収縮させる機能もありますので、白目が3時間ほど白くなります。眼が白くなったと喜ばれるのですが、反動で、そのあとは充血が強くなることが多いようです。この点眼により、耐えがたい頭痛を訴えることもありますので、嫌われることがあります。

これらの治療は、お風呂のたとえでいえば蛇口を閉めようとしたり、何とか排水口のすのこを掃除して通りをよくしたりしようとする試みに似ております。

しかし、これで水圧(眼圧)が安全圏まで下がらない場合や、視神経がすでに萎縮し始めて危険が予期される場合でも、レーザー治療や手術治療が控えています。決して悲観しないで下さい。


緑内障とは気長に付き合いましょう。

緑内障の治療の目的は終生良く見え続けてくれることです。10年、20年経ったときの視神経の状態を健康にするためには、『眼圧』が安全な眼圧(少なくとも20以下)に下げることなのです。

ただし、安全な眼圧の水準が、視神経の状態によって異なりますし、緑内障の方によっては、眼圧がときどき高くなる事があるのです。

ですから、肩の力を抜いて一生懸命働いてくれているあなたの眼に感謝しながら、長くそしてうまくお付き合い下さい。


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